外交は「武器を使わない戦争」と言われます。現に国際政治の舞台では、さまざまな情報戦がいまも繰り広げられています。インテリジェンスもまた外交・安全保障にとっては欠かすことのできない武器なのです。日本も遅ればせながら、こうした現実に気づいたのでしょう。安倍晋三内閣は、日本版の「NSC(国家安全保障会議)」創設に向けて動き出しました。NSCの諮問委員会には、各省が関係者を送り込んでいますが、それぞれの権益を守ろうとして、早くも互いに火花を散らしています。
本当に国家の安全保障に役立つ組織を立ち上げるためには、まず、インテリジェンスに造詣の深い人材やインテリジェンスを扱う素質を秘めた人材を育てることからはじめなければなりません。インテリジェンスに王道なし、なのです。この対論では、こうした提言を試みています。さらに、インテリジェンス世界をめぐる固有の文化やインテリジェンス大国を目指す条件など様々な観点からこの問題を論じています。 佐藤ラスプーチン氏は、この対論のなかでこう語っています。「どうにかして日本人にインテリジェンスの現実を気づかせたい」―――と。そのために佐藤ラスプーチンは 『自壊する帝国』(新潮社) を、私は 『ウルトラ・ダラー』(同) の筆を執ったのですが、これらの著作と 『インテリジェンス 武器なき戦争』 を併せ読むことで、インテリジェンスの世界をさらに深くご理解いただく一助となれば幸いです。
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