その時、世界中から集められた16人の仲間は、本当に魅力的で個性的でした。コロンビアの国防大臣、イギリスのフォークランド総督、スペインの新聞王にしてカルロス国王の無二の親友など。彼らとはスタディ・ツアーと称して世界中を旅してあるきました。いまも現職の閣僚が何人かいますよ。そう韓国の外相ソン・ミンスン氏もそのひとりです。
米国に招かれているので敬意は払っていますが、米国に寄り添っているわけではない。
大西洋に突き出たケープコッドに行った時のことでした。大英帝国に最も近い半島の突端にいるという感慨を込めて、英国の外交官が言い放ちました。「お前たち、見てみろ。この地点こそ文明にもっとも近い場所だぞ」。すかさず、彼の地に留学したスリランカの大統領補佐官が「そのとおり、世界で最も食い物のまずい文明へのね」と揶揄して見せました。
こうして築かれた信頼の絆は、僕にとって宝石のようなネットワークとなりました。ふだんは会合などしないのですが、いったんことがあれば違います。スリランカでのタミール紛争をめぐっては、ワシントンのわがオフィスは、友人と国務省高官の秘密折衝の舞台となりました。スペインのカルロス国王の親友、ディエゴ・ヒダルゴさんは、仲間が「困ったことがある」と連絡すると、分刻みのスケジュールをやりくりして駆けつけてくれます。僕もマドリードから飛んできた彼に助けてもらったことがある。その場でスイスの顧問弁護士に連絡を取り、世界中の人脈を動員してことにあたってくれた。その間、45分間。難問はほぼ片付いていました。
ですから、われわれは、彼を “ラ・マンチャの男” と呼んでいます。いかなる困難にも立ち向かう真の勇者というわけです。この大富豪は先日、豪華客船で東京にやってきました。寿司好きの彼をガード下の寿司屋さんに招いたのですがひどく喜んでいました。彼らを見ていると本当の国際人とは外国語を流暢に操る人ではないことがしみじみとわかります。 |