ProfileUltra DollarMessageReviewMembersライオンと蜘蛛の巣『葡萄酒か、さもなくば銃弾を』最近の著作時代を読むシンジケートコラムについてお知らせListContact



26. 2008年6月号掲載
 

人種という「禁断の木の実」 (※スティーブンズ・クラブに掲載 )

 
 

 かつてないほどの長期持久戦にもつれ込んでしまった民主党の指名争いは、バラク・オバマ上院議員に軍配が上がりました。初の「黒人大統領」誕生の可能性がより現実に近づいたと言えますが、11月の本選まで気が抜けません。

 この原稿のなかでは、指名争いのなかでオバマが直面した問題――「人種問題」について触れています。オバマを黒人層の利害を代表する候補者に仕立てあげようとする策謀が渦巻くなかで、多民族国家アメリカの真の先導者として国際社会に立っていけるのか、引き続き問われていくことでしょう。


23. 2008年3月号掲載
 

日中『阿吽』の瞬間、黒衣は2人 (※スティーブンズ・クラブに掲載 )

 
 

 5年ぶりに開かれた2006年の日中首脳会談。会談実現の舞台裏には、中国外務省の筆頭次官にして、中国共産党の中央外事弁公室主任である戴秉国の姿がありました。

 困難を極めた靖国参拝をめぐる軋轢をどのようにして打開につなげたのでしょうか。戴秉国という人物に焦点を当てて、その舞台裏の模様をご紹介しました。


22. 2008年2月号掲載
 

『モンスター』 産軍複合体の尻尾 (※スティーブンズ・クラブに掲載 )

 
 

 防衛装備品の調達をめぐる汚職事件は、守屋武昌・前防衛次官が収賄と議員証言法違反(偽証)の罪で、そして防衛専門商社「山田洋行」元専務の宮崎元伸被告が贈賄罪でそれぞれ追起訴され、今後の捜査の対象は、山田洋行と社団法人「日米平和・文化交流協会」の秋山直紀専務理事との関係を軸にした政界と防衛業界の関係に移る模様です。

 しかし、秋山氏が東京・ワシントンを結ぶ国防人脈の中枢にいる人物とは言えず、実際に日米同盟を左右する局面でも姿を現したことがありません。検察が挑むべきは別のところにありそうです。守屋前次官が中心となってとりまとめた普天間基地の移転計画が幾多の謎に包まれていることを忘れてはなりません。


21. 2008年1月号掲載
 

小沢構想を丸め込む『大審問官』 (※スティーブンズ・クラブに掲載 )

 
 

 11月2日に行なわれた福田首相と民主党の小沢代表の党首会談で浮上した「大連立構想」は不発に終わりましたが、騒動の中で、わが国の安全保障政策を大転換させるような約束まで持ち出されていた事実は見逃せません。

 大連立を成功させるためにテロ特別措置法の成立すら譲ってもかまわない、憲法の解釈も180度転換しても構わない−。つまり、福田首相は、国連の決議さえあれば、武力行使を伴う多国籍軍の活動に自衛隊を参加させても憲法に触れないとする小沢代表の主張を丸呑みする姿勢を示したというのです。これは、戦後のわが国の安全保障の基軸である日米同盟の文脈からいえば重大すぎる問題を孕(はら)んでいます。

 福田内閣の外務・防衛両閣僚は、国連の決議があっても武力の行使を伴うものであれば憲法に違反すると反論しています。しかし、福田首相が縋ったのは、条約官僚でした。


20. 2007年12月号掲載
 

小麦と『アサドの核』と北朝鮮 (※スティーブンズ・クラブに掲載 )

 
 

  シリアが核兵器の開発に手を染めている――。 9 月にイスラエルが敢行したシリア空爆は、このダマスカス発のインテリジェンスが作用しました。延長線上で浮かんできたのは、アサド政権と北朝鮮の不透明な関係です。そして、そのことを示唆する事象は、空爆の数週間前に米国のミネアポリス穀物取引所でも感知されていたのです。

 今回の「手嶋龍一式 Intelligence 」では、イスラエルによるシリア空爆の背景に見え隠れする北朝鮮の影に警鐘を鳴らすとともに、対北宥和策を進めようとする米国に対する日本側の反応について触れています。


19. 2007年11月号掲載
 

福田『同盟』外交に働くふたつの遠心力 (※スティーブンズ・クラブに掲載 )

 
 

 福田内閣は、折しもアメリカが北朝鮮への宥和政策に舵を切ろうとしているさなかに発足しました。対話に重心を移して日朝関係の打開に乗り出そうとする姿勢は、米国の対北朝鮮外交とぴたりと息が合っているように映るのですが、同盟の内側に踏み込んでみると広がるのは荒涼とした風景のみです。

 拉致問題を抱える日本が核施設の無力化などを条件に北朝鮮をテロ支援国家の指定リストから外すことに反対、そして、インド洋で海上自衛隊が実施していた米艦隊をはじめ多国籍軍艦隊への給油が止まろうとしている事態を前に、太平洋を挟む同盟に軋轢を起こしかねない遠心力が働こうとしています。

 その遠心力とは何であるか、そして、その遠心力がどのような作用をもたらす可能性があるのかについて議論しました。

 
18. 2007年10月号掲載
 

ライス外交と『日米同盟裏切り』の構 (※スティーブンズ・クラブに掲載 )

 
 

 9月初めにスイス・ジュネーブで行われた北朝鮮核問題を巡る6カ国協議の「米朝国交正常化」作業部会では、核施設を再稼働できない状態にする「無能力化」や核計画の申告など、北朝鮮の核放棄の「次の段階」の柱となる措置を年末までに履行することで合意したとされています。米朝はそれぞれの思惑から重要な進展があったように装っていますが、果たしてそうでしょうか。ヒル米国務次官補は北朝鮮に核の無力化を呑ませるために、テロ支援国家の解除に踏み込んでしまったとの指摘もあります。

 アメリカはテロ支援国家の根拠として拉致被害者の問題を挙げてきましたが、解除に反対する同盟国日本には相談せず、6カ国協議で扱おうとしています。これは、東アジアにかつて見られなかった危険な戦略的構図が出現しつつある事態を示していないでしょうか。


17. 2007年9月号掲載
 

『隠れゴーリスト』の鎧を捨てたオザワ (※スティーブンズ・クラブに掲載 )

 
 

 今月オフィシャルサイトでお届けするFACTA誌の連載コラム「手嶋龍一式 Intelligence」では、「『隠れゴーリスト』の鎧を捨てたオザワ」のタイトルで、8月9日に民主党本部で執り行われたJ・トーマス・シーファー駐日アメリカ大使と小沢一郎代表の会見について取り上げました。

 小沢代表は会見で、11月に期限切れとなるテロ対策特別措置法の期限延長に反対を重ねて表明しています。参議院選挙の勝利で10年ぶりの脚光を浴びた小沢代表は、自らの安全保障論議を表立って展開し始めたようです。テロ特措法は、海上自衛隊がアフガニスタンで戦われている対テロ戦争に加わっているアメリカなどの多国籍軍の艦艇にインド洋上で給油を続けるなどの支援活動の拠りどころになっています。秋の臨時国会では同法をめぐる議論が焦点となりそうですが、東アジアの安全保障に通じた戦略のプロフェッショナルたちも議論の行方から目を離すことはないでしょう。

 
16. 2007年8月号掲載
 

久間失言が直撃した日米同盟の『岩盤』 (※スティーブンズ・クラブに掲載 )

 
 

 久間章生前防衛相が米国の原爆投下を「しょうがない」と発言した責任を取って突然辞任した問題、また、従軍慰安婦問題についての発言で安倍首相自身が首脳会談の場で、ブッシュ大統領に謝罪した問題など一連の出来事は、安倍内閣が、日米同盟を十全に運営できずに入る現状を垣間見せてしまいました。

 異なった歴史や国内事情を抱える国同士の盟約であるからこそ、同盟の運営には研ぎ澄まされた国際感覚が求められます。同盟に入ってしまった亀裂を喜ぶ独裁者が近くに控えていることも忘れてはなりません。国際政治の舞台にあっては、国家は一瞬の隙も見せてはならないのです。


15. 2007年7月号掲載
 

『ミステリー・ギャプ』に寡黙たれ(※スティーブンズ・クラブに掲載 )

 
 

 ジョン・ル・カレの小説に登場し、米ソ冷戦の情報戦を潜り抜けてきた伝説のスパイ・マスター、ジョージ・スマイリーによれば、インテリジェンスの世界には、スパイを相手陣営に潜ませ、暗号を解読し、機密の存在に肉薄していく「シークレットを扱う者」がある一方で、インテリジェンス報告を土台にしながら敵の能力と意図を分析し、国家に迫りくる危機を予測する「ミステリーを扱う者」があるといいます。

 9.11同時多発テロ事件や北朝鮮が密かに開発を進めているといわれる高濃縮ウラン爆弾計画、2008年の米大統領選などを例に挙げ、国家からみた両者の位置づけの違いと、インテリジェンスの本質に迫ります。


14. 2007年6月号掲載
 

『失敗の孤児』 ヒル代表の矜持なき独走(※スティーブンズ・クラブに掲載 )

 
 

 2月13日の北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議では、北朝鮮による核関連施設の停止・封印などで合意に達し、クリストファー・ヒル米国務次官補の交渉が成功を収めたかにみえました。しかし、北朝鮮は期限を過ぎても、その合意に盛り込まれた「初期段階の措置」の実施を実行に移さず、その理由を、アメリカが、北朝鮮を6カ国協議への復帰に誘い出すために使った「マカオの銀行、BDA(バンコ・デルタ・アジア)の北朝鮮口座に凍結されている30億円の返還」が滞っているためだとしたのです。

 これは、「ベルリンの金融協議と6カ国協議は無関係だ」としてきたアメリカ政府を困惑させました。しかし、そのベルリンでの秘密会談の核心部分は同盟国である日本にも伝えられていません。ヒル国務次官補は北朝鮮から譲歩を引き出すために、圧力や刺激を避けてきましたが、それは、「平壌宣言」に誘い込まれ、結果として北朝鮮の核実験を許してしまった田中均アジア大洋州局長(当時)の姿とも重なるのです。

 折りしも、北朝鮮が4月の朝鮮人民軍創建75周年記念パレードでノドンやテポドンの射程を超えるとされる新型中距離弾道ミサイル(IRBM)を公開したことや、イランとの連携強化が懸念されていることなどが報じられています。2月13日の合意は、朝鮮半島の核危機の様相を覆い隠したに過ぎないと言えるでしょう。


13. 2007年5月号掲載
 

偽ドルを『虚構化』するドイツ発の操作 (※スティーブンズ・クラブに掲載 )

 
 

 外務省のラスプーチンこと佐藤優氏の見立てによると、わが『ウルトラ・ダラー』は「日本に初めて出現したインテリジェンス小説」なのだそうです。その『ウルトラ・ダラー』に描かれている物語はフィクションだなどという地下情報が今、諜報の世界で、そっと流布されつつあります。発端は、独高級紙「フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング」の「北朝鮮製の偽ドル紙幣は、CIA(米中央情報局)がアメリカ国内で自ら偽造した疑いが濃い」と報じた記事でした。この記事は、日本のメディアもそっくり転電しましたが、果たして本当に偽ドル札問題はアメリカの自作自演なのでしょうか。

 北朝鮮は2月の6カ国強で合意した期限(4月14日)を過ぎても寧辺(ニョンビョン)の核施設停止・封印などの「初期段階の措置」を実行に移していません。ブッシュ政権が誘い水に使ったマカオの銀行バンコ・デルタ・アジア(BDA)で凍結中の北朝鮮資金の返還手続きも、仲介を頼んだ中国銀行から拒絶され、停滞が続いています。ディスインフォメーションと交渉の難航―。これらのことから読み取れるのは、東アジアに巨大な力の空白が生じているという現実なのです。

 
12. 2007年4月号掲載
 

外交二元化の歯止めなき日本版NSC(※スティーブンズ・クラブに掲載 )

 
 

 2008年4月の発足を目指す日本版NSC(国家安全保障会議)の組織概要が固まり、法改正に向けた具体的なプロセスに入りました。日本の政治指導者の間では、「NSCさえ創れば、官邸の指導力が高まるはず」という期待感が先行していますが、「国家安全保障に関する官邸機能強化会議」がとりまとめた最終報告書をみる限り、官邸と外務省、防衛省の間で、外交・安全保障政策が二元化してしまう事態を避ける方策はなんら組み込まれていません。

 「FACTA」4月号に掲載された「手嶋龍一式Intelligence」では、最終報告書にみる日本版NSCの問題点を指摘するとともに、国家の安全保障を考える上で重要な提言を盛り込みました。

 
11.
2007年3月号掲載
  谷内流『野心』 に潜む勢力均衡外交(※スティーブンズ・クラブに掲載 )
 
 

 外務省のラスプーチンこと佐藤優氏は 2月 1日付け産経新聞に掲載された「日露戦略対話の成功−クレムリンが評価した谷内外交」の記事の中で、谷内正太郎外務次官とラブロフ外相らロシア側要人との対話を取り上げ、日ロ関係にひそかな地殻変動が起きていることを指摘しました。

 ラスプーチンの見立てでは、谷内外務次官は、「勢力均衡外交」を目指しているといいます。そして、日本、ロシア、アメリカ、中国、EUという5大勢力がそれぞれに、緊密な間柄を築くなか、唯一、関係が飛びぬけて希薄なのが、日ロ両国です。平和条約の不在、北方領土問題というノドに突き刺さった小骨を抜き去り、お互いの関係を正常な水位に戻せるか――。新たなステップに進めるかは、ロシア首相の来日を機に新たな合意を創り出せるかどうかにかかってくるのでしょう。

 
10.
2007年2月号掲載
  死せるダレス、「4島」で日ロを踊らす(※スティーブンズ・クラブに掲載 )
 
 

 老獪なヨーロッパ諸国が重大な利害を持つ二つの国を引き裂いておく格好の離間策として、領土問題を使った例が過去にあると言います。いまなお、歯舞、色丹、国後、択捉の北方四島の帰属問題が日本外交の船足を鈍いものにしているのだとすれば、サンフランシスコ講和条約後を取り仕切り、後に国務長官となったジョン・フォスター・ダレスが、四島の帰属を曖昧なままにしたのはなぜなのでしょうか。

 「FACTA」2月号掲載の「手嶋龍一式Intelligence」では、このことについて議論しました。

 
9.
2007年1月号掲載
  「元スパイ暗殺」に日本が沈黙する理由 (※スティーブンズ・クラブに掲載 )
 
   11月下旬、ロシア連邦保安局(FSB)の元中佐、アレクサンドル・リトビネンコが猛毒の「ポロニウム210」によって殺害されたニュースが世界中を駆け巡りました。暗殺に用いられたポロニウム210が、民間では容易に手に入らない猛毒であることから、ロシア政府の関与が疑われていますが、果たして国家機関の関与を疑われてまで当局が暗殺を実行するでしょうか。インテリジェンスは、リトビネンコが体調を崩してから、ロンドンのカジノから武器商人たちが姿を消したことも伝えています。

 この事件に関して様々な憶測が交錯する中で、日本政府は事件にひたすら沈黙を守り続けています。プーチン政権に国際世論の風当たりが厳しい今こそ、停滞している日ロ関係を打開する好機と見ているのかもしれません。

 FACTA 1月号掲載の「手嶋龍一式Intelligence」では、事件の裏側に見えるインテリジェンスと、メディアの注目が大事件に集まっているときにこそ、水面下で粛々と行われる外交の本質について言及しました。
 
8.
2006年12月号掲載
  米中手打ちの裏にもう一つの「黙契」(※スティーブンズ・クラブに掲載 )
 
    アメリカと中国の両国は、それぞれ異なる思惑から、北朝鮮の六カ国協議への復帰を促しました。両国の思惑がどこで一致したのかは、国連憲章7章41条の経済制裁の条項に基づき、北朝鮮に出入りする船舶を検査できるとした安保理決議1718号の内容の詳細を見れば明らかです。

 FACTA12月号のコラム「手嶋龍一式インテリジェンス」では、両国の思惑がどの点で一致し、連携につながったのかについて指摘しました。
 
7.
2006年11月号掲載
  NSC?いや、スピーチライターこそ(※スティーブンズ・クラブに掲載 )
 
 

 アメリカの大統領にあって日本の総理大臣にないものいえば、スピーチライターとスポークスマンの二つが挙げられます。首相の施政方針演説も、官房長官の記者会見も各省がそれぞれの縄張りに従って、草稿を持ち込み、事前に準備したものです。これでは、政治指導者として、その思想を広め、人々と心を通わせることなどできません。

 「ファクタ」11月号のコラム「手嶋龍一式インテリジェンス」では、このことについて議論しました。

 
6.
2006年10月号掲載
  「晋三式CIA」に立ちはだかる壁 (※スティーブンズ・クラブに掲載 )
 
 

 安倍晋三新総理の誕生をきっかけに「日本版NSC]や「晋三版CIA」構想が大きな話題になっています。

 そこで今月の「ファクタ」のコラム「手嶋龍一式インテリジェンス」はこの問題を取り上げました。皆さんのご意見もお寄せください。

 
5.
2006年9月号掲載
  「アメリカの永き不在」 のブーメラン (※スティーブンズ・クラブに掲載 )
 
4.
2006年8月号掲載(※スティーブンズ・クラブに掲載 )
  北にあざ笑われた「プレスリー同盟」(※スティーブンズ・クラブに掲載 )
 
3.
2006年7月号掲載
  刮目すべし「麻生外相」対中外交シグナル(※スティーブンズ・クラブに掲載 )
 
2.
2006年6月号掲載
  「イラン制裁」に 日本が言えること(※スティーブンズ・クラブに掲載 )
 
1.
2006年5月号掲載
  いつのまにか「空洞化」した日米同盟(※スティーブンズ・クラブに掲載 )


Copyright © Ryuichi Teshima All rights reserved.

無断転載はご遠慮ください。