《「私は、その人ほど意志的な風貌をその後絶えて見たことがない」―。十五年前に発表された手嶋さんの著書『ニッポンFSXを撃て』のプロローグはこんな書き出しで始まる。「その人」とは故周恩来首相。手嶋さんは大学生時代の昭和四十六年、この中国の名宰相に”長時間取材”したという》
― そもそもなぜ中国に?
手嶋 偶然でした。四十五年、ぼくの郷里の友達がどこかでガリ版刷りのチラシを拾ってきたら、「中国旅行参加者募集 学生対象 費用は三万円」なんて書いてあった。「こりゃあ詐欺じゃないか」なんていいながら仲間と旅行社の「オフィス」に行ったら、ビルのホールを衝立で仕切ってあって、そこに机があるだけ。「やっぱり詐欺だ」と(笑 ) 。でも、当時、日中には国交がなかった。ぼくらはぜひ、激動期の中同を見ておきたかった。だから、「だまされたっていいや」という気持ちで参加しました。
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