― 一線記者や特派員にこだわり、ニュースキャスターには転身しませんでしたね。
手嶋 NHK時代にそんな話もありましたが、お断りしました。自分のことだから、よく分かるのですが、まったく向いていないんですよ ( 笑 ) 。それに、現場で取材した人が、そのままのことを伝えるという方が、やっぱりいいと思いますし…。ただ、取材現場に理解が深く、信頼感のあるキャスターがもっといていいとは思います。やや演技過剰な方もいらっしゃいますから。でも、久米宏さんは記者経験がなかったにもかかわらず、ニュース番組のさまざまな可能性を開拓しました。高く評価されてしかるべきだと思います。
― 特派員に不可欠な英語はどこで学んだのですか?
手嶋 大きな意味で「現場」ですね。前にも少しお話ししましたように、ぼくは受験戦争の被害からは免れた代わりに、正規教育の“つめ跡”がない。そこにきて、かなり突然に「ワシントンに赴任してくれ」でしょう。だから、RとLの発音の違いを現場で知って愕然とするのですが ( 笑 ) 。でも、だからこそ、在任中に「誤報」というものがまったくと言っていいほどなかった、と誇りをもって断言できます。 |