あけましておめでとうございます。二〇〇七年がみなさまにとって、ひかり輝くような年になりますよう心から願っております。二〇〇六年の春には、インテリジェンス小説 『ウルトラ・ダラー』 を新潮社から上梓し、幸いなことに多くの読者を得ることができました。

 新しいジャンルの物語であるにもかかわらず、手にとってくださった読者の方々にお礼を申し上げます。続いて、ともに新潮文庫の改訂版 『たそがれゆく日米同盟 −ニッポンFSXを撃て−』 と 『外交敗戦』 を出版しました。

 さらに秋には幻冬舎から、二十九の街を経巡って綴ったノンフィクションの掌編 『ライオンと蜘蛛の巣』 を上梓いたしました。タムラ・フキコさんの筆になる、心躍るようなイラストが評判となりました。

 そして年の瀬には、ラスプーチンと呼ばれる佐藤優さんとの対論 『インテリジェンス 武器なき戦争』 (幻冬舎新書)を出版し、いまも版を次々に重ねています。

 「これらの作品は、どのジャンルに収めていいものか、扱いに困ってしまう」 という指摘を出版界の方々からいただきました。いずれもインテリジェンスを縦糸にしながら織りなされた作品なのですが、ちょっぴり風変わりなところを楽しんでいただければ嬉しく存じます。

 現在は月刊誌 「文藝春秋」 に 「危機の指導者」 を短期集中で連載しております。李登輝、周恩来、キッシンジャー、ブッシュ大統領親子。これらの政治リーダーが国際的な危機に際して、どのような決断を下していったのか、私の取材ノートをもとに書き進めています。完成後は文藝春秋社から上梓される予定です。

 またクオリティ・マガジンとしてスクープを連発している月刊誌 「ファクタ」 に 「手嶋龍一式インテリジェンス」 を、「新潟日報」 を中心とする環日本海の新聞シンジケートに 「時代を読む」 を隔月で連載しています。あたらしい年も取材現場の最前線でつかんだ生きのいい情報をさまざまに分析してお届けしたく思います。

 さて、 『ウルトラ・ダラー』 の読者の皆さんからは 「スティーブンはどうしているのか。やはり京の山奥で倒れてしまったのだろうか」 と問い合わせを数多くいただいています。著者としても鋭意追跡中なのですが、なにしろインテリジェンスの深い霧に覆われて見通しがききません。皆さんも、西表島でスティーブンを見かけたといった情報を耳にされた際は 「スティーブン・クラブ」 まで是非ともお知らせください。有益なインテリジェンスには、ささやかな感謝の気持ちをこめて 『ウルトラ・ダラー』 の最新版を著者のサイン入りでお送りさせていただきます。

 

感謝をこめて―。手嶋龍一

 

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