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「旅先で素敵なひとと出遭いたい。たとえば、ヒュー・グラントのような男性と。なにか助言はありませんか」
「サンフランシスコ・クロニクル」紙の人生相談だったと記憶しています。これに識者が応じた答えがなかなかユニークなものでした。
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「はたしてヒュー・グラントに出会えるかどうかは、保証しかねるのですが、ポイントはたったひとつと心得て置かれるがよろしかろう。機内で、列車内で、そしてB&Bの居間で、広げる本は、十分に吟味されることをおすすめします。ハーレー・クィーンのロマンス小説では、気のきいた男は、あなたに声をかけてくれないでしょう。退屈な人に映るからです。アイザック・ディネーセンの『アフリカの日々』を開いていれば、大いに脈ありとみていいでしょう」
記憶を呼び醒ましながら書いていますので、細部には自信がありませんが、こんな回答だったように思います。そういえば、ワシントンDCのフィリップス・コレクションのティー・ルームでアラビアのロレンスの筆になる『知恵の七柱』を熱心に読んでいた女性とおもわず話しこんでしまったことがありました。
小旅行に携えていく本に適しているか、自信はないのですが、雑誌「日経ウーマン」のもとめで、国際情勢を読み解く書籍をいくつか紹介しました。何かの参考にしていただければ幸いです。
手嶋龍一
(事務局より:「 スティーブンズ・クラブ」へは簡単な手続きでご入会いただけます。)



- ブラック・スワン降臨
- 新潮社
- 2011/12/7発売
ブラック・スワンとは、あり得ないと思われた事態が現実となることの譬え。難攻不落を自任するアメリカ本土を襲った9.11テロ。安全神話を誇った日本の原発を襲った3.11事故。漆黒の白鳥はこの十年に二度降臨した。劣化する日本外交に警鐘を鳴らす、書下ろしノンフィクション。