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前作『ウルトラ・ダラー』の巻末で姿を消してしまった主人公スティーブン・ブラッドレーが、ついに還ってきました。最新作『スギハラ・ダラー』では、9.11同時多発テロやリーマン・ショックなど世界を揺るがした大事件の陰で蠢き、金融市場を操っている者たちを、インテリジェンス・オフィサー、スティーブンが盟友のマイケル・コリンズと手を携えて追いつめていきます。そのドラマには、第二次大戦中、ナチスの迫害を逃れてポーランドから日本に身を寄せたユダヤ人の少年少女と神戸生まれの日本人少年が育んだ密やかな友情の物語が隠されています。
表題の「スギハラ」とは、第二次世界大戦中、在リトアニアの日本領事館に押し寄せたユダヤ難民に通過ビザを発給して、六千人もの命を救った杉原千畝氏を指しています。ひとりの日本人外交官が押した「命のビザ」によって生き延びた人々の中に後に世界を変えることになる金融先物商品を世に送り出す、シカゴ金融界の革命児も含まれていました。その意味で、日本の外交官スギハラが蒔いた一粒の種は「スギハラ・ダラー」として花開き、現代社会を突き動かしたのです。
七十年に及ぶ壮大な人間ドラマを読んでいただいた皆さんには、スギハラの勇気溢れる決断が、私たちのいまの暮らしに深い影響を及ぼしていることを感じ取っていただけると思います。物語の舞台は、ポーランドの古都クラコフ、リトアニア、スコットランド、神戸、金沢、東京、北海道、上海、スリランカ、パリ、シカゴ、ワシントン。スティーブンの活躍をどうぞお楽しみに!
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