手嶋龍一

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メッセージ

紙上の外交論争 再び

 紙上の外交は終わった――台湾海峡をめぐる日本の対応について、毎日新聞のコラム「プレミアム」でそう指摘した。だが、依然として我がニッポンは、外交文書や声明を引いて現下の台湾情勢を論じる惰性のなかにいると嘆息せざるをえない。
 日本外務省の高位のポストに就いて、いまや外交・安全保障のシンクタンクのトップを務めている大使経験者は次のように論じている。日本外務省は台湾問題について「当事者間の直接の話し合いを通じて平和的に解決されることを希望して」おり、アメリカ国務省も「いずれの当事者も一方的に現状を変えようとすることに反対し、両当事者が尊厳と敬意に基づく政治的な対話を継続することを奨励する」と指摘している。だがこうした日米の外交姿勢は、文字通り「紙上の見解」にすぎず、現下の台湾情勢を映したものではない。

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インテリジェンス後進国ニッポンに突如降臨

公安調査庁は、警察や防衛省の情報機関と比べて、ヒトもカネも乏しく、武器すら持たない。そんな最小で最弱の組織に入庁してしまったマンガオタク青年の梶壮太は、戸惑いながらもインテリジェンスの世界に誘われていく。ある日のジョギング中、ふと目にした看板から中国・北朝鮮・ウクライナの組織が入り乱れた国際諜報戦線に足を踏み入れることに――。



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9・11同時多発テロ、リーマン・ショックなど大事件のたびに金融商品は大暴落した。その裏では事前にドルを売り抜き、有り余る資金を懐にした投資家たちがいた。そのからくりは?いま再び金融マーケットに異変が起きている――調査に乗り出した英国情報部員スティーブンは、国境を越える資本主義の源流に「諜報の天才」と呼ばれた日本人外交官・杉原千畝の影を見る。



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